1. 母乳マッサージの必要性 あなたのおっぱいは、「良いおっぱい」ですか?
あなたのおっぱいは、「良いおっぱい」ですか?
赤ちゃんが産まれて、助産師さんに言われた通りにおっぱいをあげているけれど
あなたのおっぱいは果たして「良いおっぱい」になれている自信はありますか??
「良いおっぱい」とは以下の条件を満たすおっぱいを指します。
- 母乳が十分な量出る
- 赤ちゃんに飲ませてあげるタイミングにしっかり母乳の準備が出来ている
- 必要な栄養素がしっかり揃っている
- おっぱいに関する病気にかからない
どれも出来ているように感じられるでしょうか?
実は、上手くいっているようでも隠れおっぱいトラブルを抱えている事があるんです!
しかも、隠れおっぱいトラブルには危険な罠が潜んでいます。
今回紹介する母乳マッサージでは、良いおっぱいの条件を二つ実現する事が出来ます。
それは、「母乳が十分な量出る」、「赤ちゃんに飲ませてあげるタイミングにしっかり母乳の準備が出来ている」
という二つです。
まずは、あなたのおっぱいに母乳の量に関する隠れおっぱいトラブルがないか判定してみましょう。
もし、判定で隠れおっぱいトラブルの恐れがあると判ったら、母乳マッサージの必要ありです。
簡単にできる母乳マッサージで「良いおっぱい」を手に入れましょう!
2. 母乳の量に関する隠れおっぱいトラブルがないか判定してみよう
あなたのおっぱいについて以下が当てはまるか確認してみて下さい。
一つでも該当すると母乳の量が足りていない隠れおっぱいトラブルの可能性が潜んでいます。
2.1 母乳の量に関する隠れおっぱいトラブルを探す5項目の確認事項
- 赤ちゃんの体重の増え方が少ない
特に生後間もない0ヶ月から2ヶ月で30gから40g、2ヶ月から3ヶ月で25gから30g増加します。
それよりも少ない場合、おっぱいが十分な量を出せていない可能性があります。
- 2ヶ月を過ぎても赤ちゃんが1時間未満で起きてしまう
生後2ヶ月を過ぎると、起きる時間と寝る時間のリズムが作れるようになります。
しかし、2ヶ月を過ぎてしばらく経っても、1時間未満しか睡眠を取らず起きてしまうようであれば
おなかいっぱい母乳を飲む事が出来ていない、すなわち母乳の量が不足している可能性があります。
- おっぱいを吸っている時間が1時間近くかかる授乳で与える母乳はあげはじめてから片方のおっぱいあたり5分から10分で9割方出てしまいます。
つまり、両方あげても、20分程度となります。
赤ちゃんが満足せず1時間近くも乳首を吸っているようであれば、母乳の分泌不足の可能性があります。 - おしっこの回数が5回未満の日が多い赤ちゃんのおしっこ回数は平均すると日に5回から7回程度と言われています。
平均なので一日二日多かったり少なかったりすることはありますが
一週間続けて少ないと、赤ちゃんの水分不足の可能性があります。
赤ちゃんは母乳から水分を補給しますので飲む量が足りていないと水分不足に陥り、おしっこの回数が減ります。 - おっぱいが張らない
良いおっぱいは、授乳から3時間程度過ぎると、パンパンに張ってきて乳首の先がツーンとなり
自然に母乳が流れ出るようになります。
しかし、何時間経ってもそうならない場合、母乳自体の分泌量が少なくなってしまっている可能性があります。
いかがでしょうか。あなたに当てはまる症状はありましたか?
もし気になる項目があれば、次から紹介する母乳マッサージを試してみて下さい。
母乳マッサージは自分で簡単に出来るおっぱいトラブルの改善方法です。
3. 母乳マッサージで得られる効果
3.1 母乳マッサージの効果
血液とおっぱいの詰まりを解消!
おっぱいのトラブルには母乳マッサージが良いと聞くけれど、実際の所、何に効くのでしょうか。
実は母乳マッサージには『血液とおっぱいのつまりを解消してくれる』効果があるのです!
それにしても、なんで血液?と思われるかも知れません。
実は、母乳の原材料は血液なんです!あなたはご存じでしたか??
血液が乳房の根本(基底部)から乳房に入り、乳房の中の細胞により血液から母乳が生成されます。
その過程で赤血球は減少するため、色が赤色から乳白色に変化するのです。
つまり、血液の巡りが悪いと、母乳の出も悪くなってしまうのです!
母乳マッサージを行って血液と母乳の詰まりを解消する事で、良く出るおっぱいに変えていく事が事が出来るのです!
乳腺炎にも効く!
血液と母乳のつまりを解消できるという事は、つまりが引き金となっていた乳腺炎も解消する事ができます。
※ただし乳腺炎は症状を改善してくれる効果はありますが、つまる原因は解消できません。
つまる原因を解消する為には、5.母乳マッサージで改善しない場合を参照して下さい。
3.2 母乳マッサージで母乳の本来の能力を取り戻せ!
母乳マッサージを行って得られる効果は、すなわち本来おっぱい(母乳)が持つ能力を取り戻す事に他なりません。
母乳には、赤ちゃんを育てる効果がたくさん含まれているのです。
具体的な、本来の母乳の効果は以下のような物があります。
- 赤ちゃんの成長に最適な栄養を与えてくれる
産まれたての赤ちゃんに必要な栄養素であるたんぱく質や鉄、亜鉛、マンガンなどのミネラル成分が含まれています。
特にたんぱく質はミルクアレルギーにならない成分で出来ているので、安心して与えることが出来るのです。
- 赤ちゃんを病気から守ってくれる分娩後一週間の間に黄色を帯びた粘り気のある母乳が出ます。これを初乳と呼びます。
この中には以下のような物質が多く含まれています。・免疫グロプリンA赤ちゃんの腸のなかでウイルス、細菌、アレルギー物質などが吸収されるのを防いでくれます。・好中球白血球の一種で、ウイルスをやっつけ殺菌してくれる効果があります。・トランスフェリン、シーアル酸・その他抗体破傷風菌、溶連菌、百日咳菌、肺炎双球菌、ジフテリア菌、ブドウ球菌、ジフテリア菌、サルモネラ菌、ポリオ、麻疹、インフルエンザなど初乳が終わって成熟乳に移行しても抗体は含まれており、赤ちゃんを長く病気から守ってくれるのです。
- 赤ちゃんの体調を整えてくれる初乳にはナトリウムが多く含まれており、排便を促してくれます。
- 産後の母体回復を助けてくれる
赤ちゃんがおっぱいを吸うと、乳首に刺激が起こり、この刺激がオキシトシンというホルモンを生成します。
オキシトシンは子宮の収縮を助けてくれるので、産後にママの身体が元に戻ろうとするのを手助けしてくれます。
- 赤ちゃんの筋肉やあごの発達を助けてくれる
母乳は基本的に赤ちゃんが頑張って乳首を吸わないとお腹いっぱいになるまで出てきません。
産後すぐは自然に流れ出る母乳で溺れそうになっていても、成長してくると飲むのが上手になり
飲むスピードもはやくなるので、今度はお腹いっぱいになりたくて、頑張って乳首を吸うようになります。
一生懸命吸う動作が赤ちゃんの口周り、あごまわりの筋肉を鍛え、後に離乳食へ進む際に必要な筋肉を揃えてくれるのです。
ミルクだと一定量が少ない吸い込みで出るので、あまり筋肉が鍛えられないこともあるので
一見、飲むのが大変そうな母乳もちゃんと成長の役に立っているのです。
4. 母乳マッサージのやり方
4.1 母乳マッサージのタイミングはお風呂あがりが最適!
母乳の原料は血液です。つまり母乳の出を良くするには血液の循環を良くする必要があるのです。
血液の循環を改善するにはお風呂上がりのマッサージが最適です。
お風呂上がりで体温が高めの時に母乳マッサージをすると、体がほぐれやすく
血液の循環の改善を行いやすいのです。ぜひお風呂上がりを狙って母乳マッサージをやってみましょう!
4.2.1 母乳マッサージをやるときの注意
お部屋を暖かく
母乳マッサージの目的は、血の巡りを良くし、母乳のつまりを取る事です。
これからマッサージをしていくのですが、おっぱいを出した状態でやりますので
身体を冷やさないように、暖かいお部屋でおこなってくださいね。
服を着たままやる場合は、母乳で服が濡れないように注意
服を着たままでも構いませんが、母乳が出てしまう恐れがありますので
乳首の前にガーゼを敷いてから行うようにしましょう。
4.2.2 乳房の根元マッサージ
まずは、乳房の根元の部分をほぐします。
乳房の根本は基底部といって、おっぱいの生産拠点の入り口です。
ここがつまってしまうと母乳の生産工場に入れなくなってしまいますので
じっくり揉みほぐしましょう!
- 乳房の根本を片方ずつで良いので優しく揉みほぐします。
- 乳房全体に血が行き渡るようにゆっくりもみほぐしましょう。
- ストレッチと同じで、大きく息を吸い、深く吐きながらリラックスして行います。
- レンジでチンするゆたんぽなどで、この部分を暖めても効果があります。
4.2.3 乳房のマッサージその1
つぎに、乳房のマッサージに移ります。
基底部から流れてくる血液を乳房の中へ流す通路を綺麗にします。
- 乳房の真横に両手を添えて、乳房の下側からすくい上げるように乳房を持ち
乳房同士を優しく押しつけます。 - あまり強く圧迫せず、固まった血や母乳をほぐすイメージで深呼吸をしながら行います。
4.2.4 乳房のマッサージその2
最後に、乳房の下からのマッサージです。
乳房の中につまった血液とおっぱいを流していきます。
- 今度は片方の乳房ずつ行います。
- 乳房の下に両手を重ねて、すくい上げるように上に持ち上げ、下ろします。
この3つの動作を、3回から5回繰り返して下さい。
出ないからと言って、あまり強くすると逆効果になってしまいます。
身体を温かくして、リラックスして行って下さいね。
でも、母乳マッサージをどれだけやっても改善しない事があります。
それは、母乳マッサージが改善できるのは血液や母乳のつまりだけだからです。
- 一度母乳マッサージで改善しても、また直ぐに母乳トラブルが発生する・・・
- 母乳マッサージでは改善されなかった・・・
あなたがどちらかに当てはまるのであれば、母乳マッサージで改善できない原因が潜んでいる可能性があります。
その場合は、次の、5.母乳マッサージで改善しない場合を参照して下さい。
5. 母乳マッサージで改善しない場合
5.1 母乳マッサージは完璧ではない
残念な事に母乳マッサージはすべての母乳トラブルを解決できるわけではありません。
冒頭で紹介した良いおっぱいの4つの条件を復習してみましょう
- 母乳が十分な量出る
- 赤ちゃんに飲ませてあげるタイミングにしっかり母乳の準備が出来ている
- 必要な栄養素がしっかり揃っている
- おっぱいに関する病気にかからない
母乳マッサージは、この中で、上から二つの「母乳が十分な量出る」
「赤ちゃんにのませてあげるタイミングにしっかり母乳の準備が出来ている」という二つを実現してくれます。
確かに母乳マッサージは血液や母乳のつまりを解消する効果があるのですが
母乳が出なくなる理由は、血液や母乳のつまり以外に存在します。
この為、母乳マッサージだけでは完全に母乳トラブルを無くす事はできないのです。
母乳が出なくなる主な原因は以下の5つです。
- 血液、母乳のつまり
- おっぱいの病気
- 栄養不足
- 推奨されない食生活
- ストレス
この中で母乳マッサージが効くのは「1.血液、母乳のつまり」と「2.おっぱいの病気」の一部だけです。
「2.おっぱいの病気」に関しては、対処療法として乳腺炎の症状を改善する事ができますが
実は原因を取り除く事は出来ないのです。
おっぱいトラブルの原因が「血液、母乳のつまり」以外の場合、母乳マッサージ以外の方法で取り除いてあげないと
根本的な解決には至らないのです。
また数日後に症状がでるようであれば、母乳トラブルの原因を突き止めて解消する必要があります。
5.2 他の二つの母乳トラブル原因の解決方法
もし、母乳トラブルが再発するようであれば、他の原因解消方法を試してみましょう。
実は、他の二つの原因である「2.おっぱいの病気」、「3.栄養不足」、「4.推奨されない食生活」、「5.ストレス」で
母乳が出なくなるトラブルはどれも私自身が経験した物でした。
その時に取った効果の高い解決方法はこちらで紹介していますので参考にしてみてください。
6. 母乳トラブル対策 母乳マッサージのやり方まとめ
- 母乳が十分な量出る
- 赤ちゃんに飲ませてあげるタイミングにしっかり母乳の準備が出来ている
- 必要な栄養素がしっかり揃っている
- おっぱいに関する病気にかからない
- 赤ちゃんの体重の増え方が少ない
- 2ヶ月を過ぎても赤ちゃんが1時間未満で起きてしまう
- おっぱいを吸っている時間が1時間近くかかる
- おしっこの回数が5回未満の日が多い
- おっぱいが張らない
- 血液と母乳の詰まりを解消する事で、良く出るおっぱいに変えていく事が出来る
- 赤ちゃんの成長に最適な栄養を与えてくれる
- 赤ちゃんを病気から守ってくれる
- 赤ちゃんの体調を整えてくれる
- 産後の母体回復を助けてくれる
- 赤ちゃんの筋肉やあごの発達を助けてくれる
- タイミングはお風呂あがりが最適!
- お部屋を暖かくしてやろう
- 服を着たままやる場合は、母乳で服が濡れないように注意
- 乳房の根元マッサージ
- 乳房のマッサージ
- 「おっぱいの病気」、「栄養不足」、「推奨されない食生活」、「ストレス」が原因の可能性あり
- 母乳マッサージとは別の解決方法を試す必要あり(こちら)