Q&A おっぱいトラブル、授乳の悩み

母乳はいつまであげる?卒乳と断乳の時期を見定めよう!

1. 母乳はいつまであげれば良いの?

赤ちゃんに母乳をあげてきたけれど、離乳食がはじまったりすると授乳はどうすれば良いのでしょうか。
答えはいつまであげても良い!です。
えっ?そうなの?と驚かれたでしょうか。
今回は母乳育児を続けてきたママがいずれ辿り着く『母乳はいつまであげれば良いのか』の答えは
あなたが卒乳と断乳のどちらを目指すかによって変わってきます。
これを読めばあなたも母乳をあげる期間と卒乳と断乳の時期がバッチリ判りますよ!
 

1.1 卒乳と断乳の違い

授乳が終了する時期を見極める前に、「卒乳」と「授乳」の違いについて確認しておきましょう。
似ている言葉なんですが、実は内容は全く異なります。詳しく見て行きましょう。

1.2 卒乳とは

「卒乳」とは赤ちゃんから自然におっぱいにバイバイするまで待って授乳を終えることを指します。
母乳量が段々減っていき(減らしていき)、赤ちゃんの方から徐々に母乳を必要としなくなり、赤ちゃん側から自然におっぱいと離れるのを待ちます。
つまり、ママからは母乳の量や回数を減らしても、ママの方から授乳を止めるということはありません。
赤ちゃんが自然にもうおっぱいは要らないよーとなるまで待ってあげるのが「卒乳」です。
 

1.3 断乳とは

「断乳」とはママの都合や意思で、赤ちゃんにおっぱいとバイバイさせることを指します。
母乳の出や、赤ちゃんの飲む量や回数などの状況に関わらず、ママが日を決めて授乳を止めます。

つまり、赤ちゃんではなくママ側の判断で授乳を止めてしまうのが「断乳」です。

母乳を与えることをやめる理由が出てくることは珍しくありません。
例えば仕事に復帰する、薬を服用しなくてはならなくなったなど様々です。
 

 
 

2. 出産から卒乳までの母乳の役割

 
次に、母乳をあげる期間と卒乳の時期を見定める為に必要な前提知識として出産から卒乳までに母乳がどのような役割を果たしているのかを確認しましょう。
 

2.1 出産直後の母乳には抗体がたっぷり

 
赤ちゃんを産んだ直後から始まる初乳にはたくさんの抗体が含まれています。
産まれたての赤ちゃんは胎盤を通じて僅かに抗体を受け取っていますが、病気に対抗出来るほどではありません。
主な抗体は産まれて一週間程でる初乳にたくさん含まれていて、赤ちゃんはこの初乳から抗体をもらう事で産後半年程度の間、病気を防ぐのです。
 
 

2.2 産後一週間以降から1年までの母乳は栄養補給の要

 
初乳は産後一週間程度で終了し、その後の母乳は主に赤ちゃんへ栄養を与えるための役割となります。
もしあなたが母乳の栄養が一年間程度経つと無くなってしまう、という事を聞いたことがあるかもしれませんね。
実は、それは誤りなんです。母乳の栄養は一年間経っても、初期から比べると栄養価は下がってきますが、全く無くなってしまうという事ははありません。
正しい表現をすると、『離乳食が始まる6ヶ月頃から赤ちゃんは成長した為、母乳の栄養では足りなくなってくる』というのが正解なんです。
産まれた当初は十分だった栄養価も、すくすく大きくなる赤ちゃんには半年程度で足りなくなってしまうんです。
でも、言い換えると、半年物間、母乳を飲むだけで赤ちゃんを元気に育てる事ができるのですから母乳ってすごい物ですよね!
 
 
 

3. 卒乳と断乳が可能となる時期は?

母乳が赤ちゃんに最適な栄養素であり、半年程度まではそれだけで十分な栄養を与える事ができるものだと判りました。
しかし、半年を過ぎると、赤ちゃんが育ってくるため、母乳だけでは栄養素としては不十分になってきます。
そこで始まるのが離乳食です。
赤ちゃんは母乳以外に自力で食べ物を摂取し消化する事で血を作り、血に栄養を蓄えていくことが出来るようになります。
では、一体いつまで母乳を与えればよいのでしょうか。
 
いよいよメインテーマである母乳はいつまであげれば良いのか。卒乳と断乳の時期について見ていくことにしましょう。
まずは、断乳から説明していきます。
 

3.1.1 断乳が可能となる時期

結論から言いますと、以下のどちらかが当てはまれば断乳が可能です。

  • 1歳をすぎて、離乳食が完了している
    離乳食が完了していれば赤ちゃんは食事から十分に栄養を摂る事が出来ますので断乳を行っても良いでしょう。
  • 離乳食が完了していないがミルク育児に切り替えることができる
    断乳する際には必ずしも授乳期間が終わっている必要はありません。
    まだ授乳をしている時期に断乳したい場合はミルク育児に切り替える事ができれば問題ありません。

では、実際に断乳を必要とするケースはどの様な場合があるのでしょうか。具体例を見てみましょう。

 

3.1.2 断乳が必要となるケース

  • ママが働きに出る
    赤ちゃんを保育園や実家などにでかけママが働きに出る事で授乳し辛くなるケースです。
    1歳を過ぎて離乳食が完了していれば断乳が可能です。
    ただし、このケースは必ずしも断乳する必要はなく母乳、ミルクの混合でも構いません。
    状況が許すなら搾乳した母乳を保育所など赤ちゃんの預け先に届けて母乳育児を続けるパターンで
    卒乳を目指す事も出来ます。
     
  • 夜泣きが酷い
    夜泣きが酷くて困っている場合にも断乳は有効なんです。
    ちょっと意外な感じがしますよね。なぜ断乳することで夜泣きせずぐっすり寝るようになるのでしょうか。
    断乳で夜泣きが改善するのは、特に特に添い乳でいつも寝ていて、添い乳なしでは眠れなくなって夜泣きするパターンの子です。
    それの理由は、添い乳などの方法で寝かしつけをしている場合、眠りが浅くなる傾向があるためなんです。
    断乳を行うことで、はじめは寝つきがよくなくなってしまいますが、授乳以外での入眠方法を親子で模索して行くことになります。
    トントンなのか、抱っこでゆらゆらなのか、寝る前に本を読むのか赤ちゃんにあった方法を見つけ、それをパターン化して行くことでぐっすり眠る環境に変えていくことができるのです。
     
  • ママの体調悪や薬を断続的に飲む必要が出て、お医者さんから断乳するよう指示された
    世の中に出ている多くの薬ほとんどが、ママが使用すると母乳中に成分が出てきてしまいます。
    しかし、移行する量は非常に少ないので、薬を飲んでいるママが必ず母乳をストップする必要があるわけではありません。
    母乳をストップさせたくないから薬を諦めるという必要はないのです。
    しかし長期的に薬を使用する必要性が出たり、ママの治療を優先させる場合、また主治医から授乳をやめるよう指示があった時は断乳する必要が出てきます。
    あまり長期間に渡って薬を飲み続けると赤ちゃんに伝わる薬の量が増えてしまいますし、授乳をするとママの体力が消耗してしまいますので治りが遅くなってしまいます。
    また、強い薬が処方される場合、赤ちゃんに強く影響してしまう可能性があるので、主治医から授乳をやめるように指示されます。
    このような場合は、断乳をせざるをえない状況となります。
     
  • おっぱいを飲み過ぎて離乳食が進まない
    離乳食の進みが極端に遅い、離乳食をあまり食べずに母乳ばかり飲んでいる子には断乳が有効です。
    断乳すると驚くほど食欲がアップする子が多いのです。
    しかし断乳してもやっぱりあまりごはんを食べない、情緒不安定な様子が続くなどのケースでは、その子にとって断乳する時期として早かったと考えられます。
    授乳を再開できそうなら再開、もう母乳が止まってしまって再開できなさそうなら授乳以外でのスキンシップ増や、
    ごはんを食べる環境を変えてみたり(外でピクニック風、お友達家族とおでかけ)、食材や調理の工夫(ちょっとお高いけど美味しい野菜に変える、赤ちゃんの噛む力に合った食材の切り方や固さ)、などを工夫すると良いでしょう。
     
  • 母乳が出ない、頻繁に起こるおっぱいトラブルでママが疲労困憊
    精神的、肉体的、様々な理由で母乳は止まってしまうもの。
    母乳育児は素晴らしいが、あまりに頑張りすぎて気持ちがしんどい場合は、断乳してミルクに切り替える勇気も必要です。

    乳腺が細く詰まりやすい、乳腺の細さの割に出がよくて乳腺炎になりやすい、少し粗食から離れるだけですぐにおっぱいトラブルにつながってしまいます。
    マッサージをしても、食生活を気遣っても、母乳外来に通っても、色々試してもどうしてもトラブルから脱出できなくて
    母乳育児がしんどいママは断乳してミルク育児に切り替えるのも1つの手です。

     

  • 下の子を妊娠して、産婦人科医から断乳するように指示された
    赤ちゃんがおっぱいを吸うと、子宮収縮を促すオキシトシンというホルモンが分泌されます。
    このオキシトシン。陣痛促進剤でもあります。
    子宮収縮が促されると、流産・早産の原因になる可能性があるので、多くの施設では授乳中止を指導しているようです。

    しかし最近の研究結果では、妊娠初期にオキシトシンが出ても子宮は収縮しないと考えられていて、子宮がオキシトシンに反応するのは妊娠中期以降だと考えられているそうです。

    つまり理論としては、妊娠中期までは授乳可能ということです。
    ただし、妊娠中のお母さんの健康状態、妊娠の経過に問題がない場合に限る、ということになるでしょう。
    お腹の張りがきつくなったり、出血してしまったりしたら授乳は禁止となります。
    また妊娠によるホルモンの変化により母乳の分泌量が減り、最終的に卒乳(断乳)へ向かうということもあるでしょう。

    上のお子さんが1歳未満であれば・・・
    まだ栄養の取り方が 離乳食+母乳 なので、いきなりやめることが難しいですね。
     ・お子さんの様子を見ながらミルクへ切り替えていく
     ・しばらくは授乳を続けて、時期をみて卒乳(断乳)をする
    というような方法をとるといいと思います。

    上のお子さんが1歳以上であれば・・・
    離乳食完了期から幼児食への移行の時期なので、ほぼ食事から栄養をとることができますね。また大人の言葉への理解もどんどん深くなっていきます。
    なので、ゆっくりと丁寧に上の子へ言い聞かせをして、卒乳(断乳)の方向へ持っていく方法が良いと思います。

3.1.3 断乳のメリット

断乳をすると、得られるメリットについて確認してみたいと思います。
 

  • よく眠るようになる(※)
  • よく食べるようになる(※)
  • 赤ちゃんの精神的な成長につながる
    授乳をやめることで、授乳以外での母子のつながりや、気持ちの持っていき方を親子ともども見つける事ができます。。
    授乳してる子はおっぱいが心の拠り所になっていて、ママもおっぱいくわえさせれば子が大人しくなるからおっぱいに頼ってしまうことが多々あります。
    しかし、断乳をするということはその安心の元となっているおっぱいが使えなくなりますので、次第に赤ちゃんもママも、スキンシップなど違った形でお互いに安心できる方法を見つけるようになるのです。
  • 授乳してると妊娠しやすい体に戻りやすくなる
    授乳中はホルモンバランスが変わり、生理が止まった状態になります。
    しかし、早期に断乳することでホルモンバランス、生理が元に戻りやすく、妊娠しやすい体作りにもっていく事ができます。
    年齢差の少ない、兄弟、姉妹を希望するのであれば断乳して早めに次の子供を望むのも一つの方法です。
  • ママが食事を気にしなくてよくなる
    授乳をしていると、どうしてもママの食生活がそのまま母乳に出てしまいますのでアルコール、カフェイン、刺激物など摂取できないものが山ほどあります。
    断乳することで、それらの制限を気にする必要がなくなります
  • 薬を服用することができる
    授乳中は薬によっては母乳に成分が出てしまい飲むことができないものがあります。
    一般的な頭痛薬や風邪薬にも飲んではいけないとされるものが多くあります。
    頭痛持ちで薬が手放せないような方は断乳して、赤ちゃんに影響が及ばないようにしてから薬で症状を抑えるのも良い方法です。
  • 外出が楽になる
    母乳による授乳は人前では難しく、出かける場所によって授乳室の有無や、授乳の時間などを気にしなくてはなりません。
    断乳してミルク育児に切り替えることで外出時の負担を減らすことができます。

(※)体質によっては効果がでないこともあります。

 

3.1.4 断乳のデメリット

  • 子の成長や発達を無視した、無理矢理な親側の都合による断乳によって情緒不安定になる場合がある
    今まであったおっぱいが急になくなる為、情緒不安定さを解消するため、指しゃぶりが出たり、不安定な気持ちを発散するためにひっかき、かみつきなど荒れた行動につながっていることもあります
    また、情緒不安定さゆえに、ママの後追いが酷くなったり、ぐずぐず泣いてばっかりだったり、対応に追われることもあります。
    もちろんこれらは適切なステップを踏まずに強行的に断乳をおこなった結果です。
    子供の年齢・月齢問わず(乳児であってもです!)、丁寧に言葉をかけ、説明し、じょじょに断乳へもっていき、授乳以外でのスキンシップを積極的にもつことで問題が起こることは少なくなると思います。
  • 断乳がすぐに終わらない事がある
    特に1歳をすぎてからの断乳は、早期の断乳よりも大変になるケースもあります。子の自我が芽生えていて、おっぱいから離れるのを相当嫌がるケースが多く断乳に時間がかかることがあります。
  • 乳腺炎などのトラブルが頻発する可能性がある
    母乳の出が良いママ。断乳によりおっぱいの痛みや強い張り、搾乳がうまくできてなくて乳腺炎との戦いになることもあります。
 

3.2.1 卒乳が可能となる時期

年齢での目安は1歳です。
しかし個人差が大きい部分なので、1歳に達していなくても卒乳が可能な場合があります。
子どもさんが以下のことをクリアできているかを確認してみましょう。
 

  • ストローやコップを使える
    ミルク、フォローアップミルク、牛乳、お茶などを、ストローやコップを使って飲むことができるか
  • 1日3回離乳食を食べる
    食事からきっちり栄養を摂ることができるかが重要
  • 2本足で歩き、生活のリズムが整っている
    ある程度決まった時間に起きて寝る、3回の食事、日中は体を使った遊び、でメリハリあるリズムの整った生活を送れているか
     

栄養素としては離乳食で十分まかなえますので、おっぱいを欲しがるのは、授乳して貰う事が赤ちゃんの心の安定に繋がっているからです。
卒乳は赤ちゃんとママの2人の気持ちやペースを大事にしてタイミングを見極められるスマートな乳離れ方法だと言えます。
 

近年では1才を過ぎても無理に母乳をやめさせる(断乳する)必要はないという考え方が主流になっています。
その証拠に、従来は母子手帳に「おっぱいは止めましたか」という記述がありましたが
平成14年(2002年)からはその記述は消え、断乳という言葉も消えました。
授乳は無理に辞める必要は無く、赤ちゃんの心の安定につながる良い物だとして認められているのです。
 

だから、赤ちゃんの心の安定面として考えると、1歳を過ぎても、赤ちゃんがまだ母乳を欲しがるのであれば
満足いくまで授乳を続けていって良いのです。その方が赤ちゃんは心穏やかに成長させてあげることができるのです。
 

 

3.2.3 卒乳のメリット

自然におっぱいから離れるまでまつ卒乳にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
  • 親子のペースに合わせるからストレスをあまり感じずにおっぱいを卒業することができる。
    子供の成長や精神的安定を無視した、無理な断乳ほど子供にとってストレスになるものはありません。
    大好きで信頼を寄せているママから、大好きなおっぱいをいきなり取り上げられてしまうのですもの。
    自分の立場に置き換えて考えてみたら、こんなに辛くて酷いことってないですよね。
    卒乳はママと子供の双方のペースで進めるため、授乳をやめて張って痛いなんてこともなく
    子供が泣いて叫んで暴れることもなく、ストレスをさほど感じずに自然な形で親子が笑顔で授乳を終えることができます。

     

  • 授乳することによる赤ちゃんとの触れ合いの機会を最大限生かすことができる
    授乳タイムはママと子供の究極の密着タイム。子供は安らげるこの時を満喫し、とても幸せそうな顔。そしてその顔を見て至福と感じるママも多いことかと思います。
    もちろん授乳以外のスキンシップでも、親子の関係はよいものを築けます。
    が、ちょっと意識の低い親御さんだったり、スキンシップの方法を知らない親御さんだったりすると、子供さんが不安そうにしてたり、自信なさげだったりすることがよくあります。
    それに比べ、授乳するだけで、無条件に愛情や信頼関係を築けるなんて、やっぱり授乳ってすごい!と思いませんか。
     
  • 精神的に安定している子が多い
    元保育士の見解&2人の子育てを通じて感じた経験談ですが、しっかりおっぱいで授乳した子供は精神的な安定を得ている子が多かったです。
    やはり、子供が納得しておっぱいから卒業していることが重要なのだと感じます。
    元々の性格ということもあるでしょうが、適切な時期に卒乳をした子は、性格的に大らかで攻撃的&暴力的な子は少ないと感じます。

     
  • 子供が病気にかかりにくくなる
    母乳には多数の免疫物質が含まれています。
    免疫物質は生まれて1週間後の初乳に多く含まれている事は有名です。
    その後の母乳は免疫成分の含有量が下がっていきますが、いつまで含まれているかは実ははっきりとわかっていません。
    しかし、免疫物質が一切含まれないミルクで育てられた赤ちゃんに比べ、
    卒乳まで授乳を続けてもらった赤ちゃんは病気にかかり難いのです。
    実際に私が保育士として働いている時、断乳してミルクで育てられた赤ちゃんよりも、卒乳まで母乳で育てられた子の方が病気かかる回数が少なく、感染しても軽症で済んでいました
     
  • 赤ちゃんがいつでも摂取できる食事が用意できる
    母乳はいつでもママが赤ちゃんにあげる事ができる手軽さがあります。
    しかし、母乳のすごいところはそれだけではありません。
    赤ちゃんが病気にかかってしまって食事(離乳食含む)がとれない状態になってしまっても母乳なら心配することなくあげる事ができるのです。
    例えば、近年猛威を振るうノロウイルスやロタウイルスなどは免疫が獲得できない病気なので、運が悪いとかかってしまう事があります。
    ノロやロタにかかると赤ちゃんはおう吐や下痢で水分を多く失ってしまい、食事も満足にとれなくなっていしまいます。
    この場合、ミルクも胃腸に負担をかけてしまうため、満足に摂取できなくなる可能性があります。
    しかし、母乳は元血液であり、赤ちゃんの胃腸に負担をかけないのです。
    水分だけでなく栄養も含まれますので、脱水症防止と共に栄養補給も兼ねるので赤ちゃんの回復も早くなります。
    つまり、卒乳までの期間は赤ちゃんが万が一病気になってもミルクより早く完治させてあげる事ができるのです。
     
  • 長期の授乳により乳がんリスクの軽減
    国立がん研究センターの研究結果によると、
     1980年から2011年までのあいだに発表された授乳と乳がんリスクに関する日本人女性を対象とした疫学研究を検索した結果
    授乳経験のある女性の中では、授乳期間が長くなるに従って乳がんリスクが低下する傾向があることが解ったのです。
    もし、あなたの家系でがんになった方がおられる場合は、可能な限り、長期の授乳をお勧めします。
     

3.2.4 卒乳まで待つデメリット

卒乳は赤ちゃんの自然な乳離れを待つ事になるので一見して良い物なのですが、あえてあげるとすれば三つほどデメリットがあります。

  • 赤ちゃんの体重の増加によるママの疲労
    赤ちゃんは次第に体重が重くなっていきますので授乳が大変になってくる事があげられます。
    目安としてできるだけ2歳前に卒乳できていれば、ママの疲労も少なくなって楽です。
    この辺りは、ママの身体に負担にならないかを見極めながら、授乳していくと良いでしょう。
    1歳を過ぎて授乳を続けて、体重が重く大変になってきた場合は、母乳の量を減らして卒乳を促したり
    断乳をすると良いでしょう。
     
  • 栄養をおっぱいに依存しないように気をつける必要がある
    母乳をあげているから栄養は大丈夫と過信しがちになります。
    確かに半年頃までは母乳だけで生活できる物の、1歳を超えると離乳食がないと栄養が不足してしまいます。
    母乳は補助食と割り切り、栄養は離乳食で赤ちゃんの成長に合ったものをしっかり摂る様心がけなければ行けません。
     
  • 断乳派からのプレッシャーに負けない
    現在では、断乳より卒乳を推奨される風潮があります。
    しかし、卒乳が何歳でできるかは子供の個性によるものなので早く終わる子もいれば遅くなる子もいます。
    遅くなる場合は2歳や3歳になることもあり得ます。
    そこそこ年齢のあがった子(例えば2歳、3歳)に授乳をしているということ自体に嫌悪感を抱く人もいる事も事実です。
    早期の断乳により子の自立や成長が促されると信じ切っている人(ママ友やお爺ちゃん・お婆ちゃん世代)からは
    早く断乳した方が良いよ!と価値観を押し付けられるプレッシャーが発生します。
    そこでプレッシャーをかけられても、よそはよそ!うちはうち!と割り切って授乳できるかが卒乳までじっくり授乳できるかの分かれ目となります。
     
  • 卒乳まで母乳がたくさん出なければならない
    おっぱいがよく出るかは、ママの生活習慣、食生活に大きく影響します。
    母乳のことを何も気にせず毎日を過ごしているとあっというまにおっぱいトラブルが発生して
    母乳がでなくなり困ってしまうことがあり得ます。
    卒乳まで待つということは、それまでおっぱいもしっかり出ていなくてはなりません。
    早くても約1年、長ければ2、3年もの間、しっかり出るおっぱいでいられる様気を使って生活をしなくてはなりません。
    私は、授乳中におっぱいトラブルで大変な目にあってから「楽に母乳がよく出るようになる食べ物」に頼りました。
    「楽に母乳が良く出るようになる食べ物」のおかげで、トラブルも解消し無事に完全母乳で育てることができました。

    あなたがもし完母を目指しているのであれば是非「楽に母乳がよく出るようになる食べ物」を参考にしてみてください。(詳細はこちら
     

4. 卒乳と断乳のどちらを選べばよいのか

ここまでで卒乳と断乳のメリット、デメリットについて確認することができました。
あなたは卒乳と断乳のどちらで進めるか決めることができましたか?

まだ、決めかねている人、決めたつもりだけど不安な人は以下も参考にしてみてください。

 

4.1 卒乳か断乳かはあなたが選んでOK

保育士時代に、卒乳と断乳で悩むママからよく相談された悩みに
 
 「断乳(または卒乳)をしつこくやる様に言われて困っている」
というのがありました。

卒乳、断乳に関しては、家族、親戚、知り合い、医療従事者、幼稚園や保育園などから、卒乳か断乳のどちらかを良いものだと決めつけて
あなたにそのやり方を通すように言ってくる事があるのです。
特に年配の方ほど断乳を勧めてくるケースが多いようです。

私が働いていた保育園ではママの意向に合わせて、母乳・混合・ミルクを選んで、個別に赤ちゃんの対応をしていました。
卒乳か断乳かをママに迫ることはありません。

しかし、私の知りえる範囲でも、とある保育園は早期断乳が良いものだと決めつけて、ママにそのやり方を選ぶようにプレッシャーをかけているケースがありました。

卒乳と断乳にはそれぞれメリットもデメリットがあります。そして、その多くは赤ちゃんとあなた自身に降りかかる影響です。
各家庭、それぞれ事情や親子の状態、ママの母乳育児に対する考え方は違います。
ですから、周りから卒乳・断乳のどちらかをやる様に勧められても、あなたの判断で結論を出してよいのです。
子供を困らせよう、いじめようとして断乳・卒乳を選ぶわけではありません。
どちらを選んでも良いのです。
だからこそ、あなたが自身を持って決断するために、この記事でそれぞれのメリット、デメリットを知っておいて下さい。
そのうえで選んだなら、あとは外野の言うことに耳を傾けなくていいし、その言葉に胸を痛めなくていいのです。
堂々と自信をもって断乳・卒乳を貫いてください。

 

4.2 元保育士の経験から可能な限り卒乳をお勧めしています!

あなたがもし卒乳と断乳で迷っているのであれば、私は保育士の経験を通して卒乳をお勧めします。
私の勤務していた保育園は0歳児から赤ちゃんをお預かりしていました。
私自身も0歳児クラスの担任を受け持っていたこともあり、数多くの赤ちゃんが卒乳・断乳していく子供たちを見てきました。

その結果、無理なく親子のペースで卒乳できた子は、精神的に非常に安定している子が多いという結論に至りました!
恐らく、卒乳のメリットで書いた、お母さんとの触れ合いの機会が得られる事や、自分が納得するまでおっぱいをもらっている事で
精神的な不安から解放されていることが大きいのだと思います。

卒乳で精神的に安定している子供は皆、学習能力が高く、年齢に先駆けて身体能力や知能が発達している子が多かったのです!

 
保育園でお預かりしていた赤ちゃんのうち、断乳を迫られた赤ちゃんは情緒不安定になってしまう傾向が見られました。
赤ちゃんは保育園に預けられると保護者と離れている時間が多い分、情緒不安定になりやすい状態にあります。
そこで断乳を迫られると心のよりどころが失われて荒れに荒れまくることさえありました。
授乳以外での心の拠り所ができればいいのですが、働くママは本当に忙しくて、グズる子どもにゆったり向き合う時間もなく、やがて子供の問題行動につながるというケースも多々ありました。
家では激しい後追い、いつまでもぐずぐず泣く、物を投げる、自分の頭を床や壁に打ち付ける、夜泣き。
保育園では、グズグズ泣く、気持ちの切り替えができずにいる、食事・昼寝・遊びができない、クラスの友達をひっかく、かみつく、固いおもちゃで叩くといった感じです。

もちろん断乳の場合でも、ママのがんばりや、日中子供をみている保育士との連携がうまくいって、ストレスなく断乳できた子もいます。
断乳をしておっぱいから離れる事でぐっと成長する子がいることも確かです。
食事をしっかりとれるようになったり、赤ちゃんぽさが抜けて色々できるようになったり、喋るようになったりすることもあります。
でもあくまでも、きちんと断乳をするまでのステップをきちんと踏めた子だけが成長につながっているということなのです。
ひどく無理矢理な断乳は子どもの精神安定を崩壊させるだけで良いことはありません。
あまりに子供の状態が酷い場合は、断乳を中止してまたおっぱい再開というケースもありますが、その時にもう母乳が止まってしまっていて大変な思いをするママもいました。

断乳するのであればにしても、赤ちゃんの成長の具合や精神状態をしっかりと考慮して慎重に行う必要があるという事を理解しておいてください。
そして、できうる限り断乳をしないで済むのであれば、卒乳を選ばれることをお勧めいたします。
 

 

4.3 卒乳まで母乳を出すためにはどうすれば良いのか

 
あなたがもし、卒乳まで授乳を続けると決められた場合は
卒乳までしっかり母乳が出るのだろうか、と不安になるかもしれません。

確かに、どんな健康なママでも、赤ちゃんが無事に卒乳を迎える時までおっぱいが沢山母乳を作ってくれるかはわかりません。
突然、おっぱいがでなくなって強制的に断乳しなければならなくなってしまう可能性が十分にあります。

私も授乳期間中に突然おっぱいが出なくなり、完全母乳で卒乳を目指していたのにあわや強制断乳になりかけた事がありました。
その際には、「楽に母乳が沢山でる食べ物」を摂取することで無事にトラブルを切り抜け、無事に1歳過ぎに訪れた卒乳まで授乳を続けることが出来たのです。

もし、あなたが卒乳を目指すのであれば、おっぱいのトラブルに巻き込まれて無念の強制断乳にならないように

楽に母乳が沢山でる食べ物」を普段から採っておくことを強くおすすめします。

私のおっぱいトラブルに関する体験談をこちらにまとめていますので、参考にしてみてください。
 

 

5. 卒乳と断乳の時期まとめ

 

卒乳とは

  • 「卒乳」とは赤ちゃんから自然におっぱいにバイバイするまで待って授乳を終えること
 

断乳とは

  • 「断乳」とはママの都合や意思で、赤ちゃんにおっぱいとバイバイさせることを指します。
 
 

出産から卒乳までの母乳の役割

  • 出産直後の母乳には抗体がたっぷり
  • 産後一週間以降から1年までの母乳は栄養補給の要
 
 

断乳が可能となる時期

以下のどちらかが当てはまれば断乳が可能
  • 1歳をすぎて、離乳食が完了している
  • 離乳食が完了していないがミルク育児に切り替えることができる
 

断乳時期が必要になるケース

  • ママが働きに出る
  • 夜泣きが酷い
  • ママの体調悪や薬を断続的に飲む必要が出て、お医者さんから断乳するよう指示された
  • おっぱいを飲み過ぎて離乳食が進まない
  • 母乳が出ない、頻繁に起こるおっぱいトラブルでママが疲労困憊
  • 下の子を妊娠して、産婦人科医から断乳するように指示された
 

断乳のメリット

  • よく眠るようになる(※)
  • よく食べるようになる(※)
  • 赤ちゃんの精神的な成長につながる
  • 授乳してると妊娠しやすい体に戻りやすくなる
  • ママが食事を気にしなくてよくなる
  • 薬を服用することができる
  • 外出が楽になる
(※)体質によっては効果がでないこともある
 

断乳のデメリット

  • 赤ちゃんの成長や発達を無視した、無理矢理な親側の都合による断乳によって情緒不安定になる場合がある
  • 断乳がすぐに終わらない事がある
  • 乳腺炎などのトラブルが頻発する可能性がある
 
 

卒乳が可能となる時期

  • 年齢での目安は1歳
  • ストローやコップを使える
  • 1日3回離乳食を食べる
  • 2本足で歩き、生活のリズムが整っている
 

卒乳のメリット

  • 親子のペースに合わせるからストレスをあまり感じずにおっぱいを卒業することができる。
  • 授乳することによる赤ちゃんとの触れ合いの機会を最大限生かすことができる
  • 精神的に安定している子が多い
  • 子供が病気にかかりにくくなる
  • 赤ちゃんがいつでも摂取できる食事が用意できる
  • 長期の授乳により乳がんリスクの軽減
 

卒乳まで待つデメリット

  • 赤ちゃんの体重の増加によるママの疲労
  • 栄養をおっぱいに依存しないように気をつける必要がある
  • 断乳派からのプレッシャーに負けない
  • 卒乳まで母乳がたくさん出なければならない
 

卒乳と断乳のどちらを選べばよいのか

  • 卒乳か断乳かはあなたが選んでOK
  • 元保育士の経験から可能な限り卒乳をお勧め!
     
     

卒乳まで母乳を出すためにはどうすれば良いのか

  • 楽に母乳が沢山でる食べ物」を普段から採っておく(詳細はこちら
 

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